留学期間:半年

(※この記事は、2021年、留学前にかいたnoteを編集したものです。ベースとなっている内容は同じですが、留学から帰ってきた今の実感を加筆します。)

こんにちは。今日は留学中の現地渡航期間半年、という短さで修士号を取得した荒技について書きたいと思います。

家庭の事情で渡航できる期間が半年に

日本や諸外国では修士課程は入学から修了まで2年間かかるのが一般的ですが、イギリスでは修士課程の多くは1年間で修了できます。それでさえ短いのに、なぜそれが半年になるのか、誰もが疑問に思われるでしょう。私も願わくば1年間フルで滞在したかったのですが、夫は勤務先の事情で9月に渡航し、翌年4月までに帰国しなければならないことが判明しました。

「私だけ引き続き残る」「私とこどもだけ残る」「一家全員で半年で帰国する」。3つのオプションの実現可能性を探るために、情報収集を開始しました。本当は残りたいけど、夫がフルタイムで働きながらワンオペするよりは、学生の身分の私の方がまだ時間の融通が効くのでは?とか、とはいえ慣れない外国で初めての論文を書かなければならないプレッシャーの中で、私がワンオペできるのか?とか議論を重ねる中、「もし帰れるなら一家揃って帰国するのが最善なのではないか」という思いが私にも夫にも湧いてきました。

その時点では、1年間の修士課程とはいえ、どのようなスケジュールで授業が進んでいくのか、詳細を理解していなかったので、少しでも状況を把握できればと、進学先からオファーをもらった際に送られてきた契約書のようなものをよくよく見返していたら、ありました!Program Specificationという文書に履修期間やスケジュールが詳しく書いてあったのです。

イギリスの1年間の修士課程

イギリスでは修士課程の多くは1年間で修了できます。その分授業は専門的で、関連分野の入門的な学習は終えていることが前提となります。また時間が限られているため、私が進学した大学院では入学とともに修論指導が始まりました。

イギリスの修士課程の1年間はどんなスケジュールなんでしょうか。私の進学先のスケジュールは、大学のウェブサイトに掲載されており誰でも見ることができるので、こちらに載せておきますね。

https://www.gold.ac.uk/term-dates/

インダクション・ウィーク(オリエンテーション)
2021年9月24日〜10月10日

秋学期
9月27日〜12月17日(リーディング・ウィーク 11月8日〜12日)

春学期
2022年1月17日〜4月1日(リーディング・ウィーク 2月21-25日)

夏学期
5月3日〜9月30日

ご覧の通り秋・春・夏の3期制で、夏が長いです。夏学期は毎週の授業は6月で終わり、その後は修論指導のみとなりました。

出席が必須の授業は必修科目(30単位)が3つと選択科目(30単位1つまたは15単位2つ)の計4つ、そのほかに出席というより指導教授との個人面談形式で進める修論(60単位)指導や単位はつかないコース所属の非常勤の先生方が随時開催するワークショップなどがあります。

授業の履修は
・必修科目は秋学期2つ、春学期1つ
・選択科目は秋〜夏までどれか1つ選択可
と決まっています。

この辺を一通り説明したものがProgram Specificationという文書で、私が履修したコースのものは一般公開されています。↓

https://www.gold.ac.uk/media/docs/programme-specifications/ma-cultural-policy-relations-and-diplomacy.pdf

ということで、
秋:必修2科目
春:必修1科目、選択1科目
夏:修論のみ

という構成で履修することが可能ということが判明しました。つまり

「3月末までに出席が必要な授業は全て終えることができる!!!」のですね。


授業の他にも、修論指導やワークショップがありますが、修論は指導教授との隔週の面談を通して、改善点を指導いただくものとのことだったので、指導教授にメールして事情を説明し、「夏学期の修論指導はオンラインでさせていただけないでしょうか?」と聞いてみたところ、あっさりOKが。ワークショップは「ベネフィット」であり、参加は奨励するが必須ではない、ということだったので、3月以降の参加は諦めました(それでも先生によってはオンライン開催のものもあり、半分くらいは参加できました)。

そんなわけで、春学期が終わり次第帰国が可能と判明しました。いや、せっかくビザも取るし、もっと長く滞在したい気持ちは山々だったのですが、家族の都合上これがベスト・ソリューションで。。

それでも「1年間も時間を確保できないから諦めよう」と思っている人がもしいたら、この方法がある、ということをお伝えしたいなと思っています。

Graduate Route Visaの申請を希望する方は注意を

そうして我が家は3月末に帰国し、私は在宅で修論執筆を続けたのですが、一つだけ後悔している点があります。それは、イギリスの修士課程(ないしそれよりも上位の学位)を通学課程で修了した学生は、Graduate Route Visaという2年間の滞在資格を申請することができるのです。これは現地での就労の有無に関わらず適用され、修士課程を終えて現地に残る学生の滞在には大きな味方となる制度です。しかしながら、このビザを申請するには、在学中長期間イギリスを離れることができず、私のように1年間の課程の半分をイギリス国外で過ごす場合には、申請は認められません。いずれ帰国するとしても、「イギリスに足場を残したいなあ」とうっすら思っていた私にとっては、痛手でしたが、それでも留学が実現しただけでもラッキーだったと思って、Graduate Route Visaのことは忘れることにしました。

お読みいただいてありがとうございました!

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